上腕骨骨幹部骨折(じょうわんこつこっかんぶこっせつ)について②

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いつもご覧いただきありがとうございます!

院長のながしまです。

では、前回の続きで今回も『上腕骨骨幹部骨折(じょうわんこつこっかんぶこっせつ)』について簡単にお話していきたいと思います!!



前回、骨折部の折れ方によって治療経過が違うので、その辺だけはご理解ください!!何てことを最後に書きましたが、どういった意味か?と言うと、発生機序の部分で直達外力と介達外力の説明をしましたが、この時に骨の折れ方が違ってきます(違うことが多い)

次回書きますが、骨折には骨折線の方向による分類というものがあります。
*ずっと昔に骨折って何?を書きましたが、その時は面倒で省いてました・・・・m(__)m

骨幹3
この赤い線を骨折線とした時(このように折れた時)のことを横骨折(おうこっせつ)と言います。

まぁ、見たまんまの横にポッキリってヤツですね。

骨幹4
青い線は斜めに折れているので斜骨折(しゃこっせつ)と言います。

直達外力での発生の場合にこのようになりやすいそうです。



介達外力では前回書いた投球骨折や腕相撲骨折の場合は捻転力が働いた骨折で、螺旋状に骨折することがあります(斜骨折の場合もあります)
骨幹5
赤・青に相反する捻転力が加わると骨折部は螺旋状になる

で、ここでやっとこ治療経過の違いの話になるのですが、要は骨折した断面積の違いと言えばわかりやすいのでは?と思います。

例えば、横骨折のように断面積が狭いと固定の安定性が低くなり、偽関節(骨折って何?その5参照)になりやすかったりします。
*あとで合併症にて説明
よって、きちんと整復・固定しなければ治療経過が悪くなります。
(基本的には血流が豊富な場所なので骨癒合は良い場所です)

逆に、斜骨折や螺旋状骨折の場合は断面積が大きいので、比較的骨癒合しやすいとされています。

よって斜骨折などの場合は骨癒合に8週間程度、横骨折の場合は10週間程度かかると教科書上では言われています!!


【合併症】
①偽関節
上記に書いたように、骨折部の断面積が小さく、転位が高度で整復・固定保持がしにくく、骨幹部は骨皮質が緻密なため、化骨形成不利な場合があるため、偽関節のなることがある。

②橈骨神経麻痺
上腕骨には橈骨神経溝という溝が螺旋状に走っており、そこを橈骨神経(親指~人差し指に向かう神経)の通るため、受傷時や整復時や化骨形成の過程時に神経が圧迫される可能性がある。
骨幹2


【予後】
予後としては合併症を発症していなければ、良好な場合が多いです。

しかし、合併症を発症している場合は当然ですが、予後不良となる場合もあるそうです。



相変わらずザックリとした解説になりましたが・・・・今回はこれにて終了とします!!




今回使用の画像は全てDeAGOSTINI医学大百科人体アトラスより使用しています。