2022/07/06
いつもご覧いただきありがとうございます!
院長のながしまです。
今回は『骨折部の修復』について話をして、骨折については最後にしたいと思います!!
まず、折れた骨がどのように修復していくかを簡単に説明していきます。
骨折の治癒経過には4期の経過に分けることが出来ます。
①炎症期
②仮骨形成期
③仮骨硬化期
④リモデリング期
この4期を経て、修復(治癒)へと進みます。
①炎症期
骨折時に骨や血管が損傷し、出血などにより血腫を作ります。
その血腫の周りに線維素網と言うものが出来、それが肉芽組織の土台となります。
骨折部の出血は24時間ほどで治まりますが、血腫は外傷性炎症症状を呈しており、好中性多核白血球やリンパ球・酵素の働きにより血腫が凝固(固まり)両骨端を満たします。
損傷から24~48時間経過すると、好中性多核白血球・リンパ球などは増殖し毛細血管や肉芽組織の基となり、軟骨や骨の形成が始まるまで炎症が続きていきます。
②仮骨形成期
骨折後1週間が過ぎると骨へ栄養を運ぶ血管が形成される。
3週間が過ぎると骨に近い状態になりますが、レントゲン写真を撮っても軟部組織とは区別がつきにくい状態です。
③仮骨硬化期
4週を過ぎると仮骨の吸収と添加が盛んに起こり、骨皮質というものを形成します。
骨量も増え、レントゲン写真を撮っても骨折部が仮骨に覆われ治っていく様子がはっきりします。
炎症反応は消失していきます。
④リモデリング期
リモデリング期は簡単に言えば『自家矯正』です。
仮骨で太くなった骨が元の状態に近くなったり、曲がって修復した骨をある程度まで元の状態に戻したりとかします。
このリモデリングは若年層ほど著明にみられます。
*捻転転位は矯正されません。
こんな感じで骨折は修復されていきますが、期間は年齢や折れた骨によって異なりますので、上記の文章は『一般的な』解説と思っておいていただければ幸いです。
因みに、折れた骨によって異なると書きましたが、目安になっている表があります。
Gulut(グルト)
中手骨 2週間
肋骨 3週間
鎖骨 4週間
前腕骨(橈骨・尺骨) 5週間
腓骨 5週間
上腕骨骨幹部 6週間
脛骨 7週間
下腿両骨 8週間
大腿骨骨幹部 8週間
大腿骨頸部 12週間
こんな感じで骨癒合の目安があります。
もちろん、これだけでなく上記にも書いたように、年齢によっても治癒期間が大きく変わることもありますし、体質や健康状態などによっても変わります。
しかし、期間が変わっても修復過程は変わりません!!
一応今回で骨折についての話は終わりたいと思います!!
以上!!今回はここまで!!
参考文献
南江堂 柔道整復学―理論編(改定第3版)より一部抜粋