2022/05/25
いつもご覧いただきありがとうございます!
院長のながしまです。
では、今回は骨折の症状について話をしていきたいと思います。
万が一骨折していた場合、レントゲン写真を撮らなくても骨折したのがわかる症状(目安です)があります。
①異常可動性
要は、完全に折れていれば関節以外の変な所で動くと言うことです・・・
しかし逆を言えば完全に折れていなければ分かりずらいです。
*不全骨折・圧迫骨折・噛合骨折(こうごうこっせつ)・関節付近での骨折など
②軋轢音(あつれきおん)
骨が折れている場合、骨折した骨の端と端が触れ合って発する音のことを軋轢音と呼びます。
軋轢音は大きな音が鳴るわけではないので、どちらかと言えば動かしたときに指にその振動が響く程度です。
軋轢音も証明しにくい場所があります。
・異常可動性が見られない骨折
・骨の端が離開しすぎている場合
・折れた骨がもう片方の骨に乗っている場合
・骨と骨の間に何か挟まった場合
など、があります。
③転位と変形
骨折したことにより骨の位置がおかしくなったことを転位と言い、転位によって外見上変形が起こります。
転位は骨折時に起こる一次性転位と一次性転位後に起こる二次性転位があります。
上記に書いたように一次性転位とは骨折時の衝撃で骨がズレ動く状態を言います。
二次性転位は骨折後に何らかの外力や(患部を乱暴に扱う・別のハプニングに患部が遭う:ぶつけるなど)筋力によって骨が引っ張られたり、折れた部分に重量的負荷が掛かると起こります。
転位の仕方は様々で、横にずれたり・くの時のようになったり・捻じれるようになったりと本当に様々です。
次に骨折の後遺症について書いていきたいと思います・・・かなり飛ばしましたが・・・。
骨折後に治っていく過程で何らかのトラブルで発生することがあります。
①過剰仮骨形成(かじょうかこつけいせい)
骨が治っていく過程で仮骨と言う仮の骨が出来ます。
この仮骨が出来過ぎてしまった状態を言います。
仮骨が出来過ぎてしまうと関節の運動障害を起こしたり、神経や血管を圧迫して障害を起こしたりします。
原因としては
・骨折時に大量の血が骨折部内に溜まってしまった
・骨膜(骨を覆う膜)が広範囲に剥離している
・粉砕骨折
・強すぎた圧迫固定
・早期かつ過剰に行われた後療法
などがあります。
②偽関節(ぎかんせつ)
字の如く、骨折部が偽物の関節になってしまうことを言います。
要は骨がくっつかなかったという訳です・・・
なので、関節でもない場所で関節のように動きます。
原因は色々ありますが大きく別けると3項目になります。
A)局所的原因(くっつきにくい骨が折れた・骨が粉々になりすぎた・骨と骨の間に邪魔が入る・血行不足など)
B)全身的原因(異常体質・内分泌異常・栄養障害)
C)治療的原因(しっかり骨がつながっていなかった・しっかり固定が出来ていなかった・固定期間が短かった・引っ張りすぎた・不適切な後療法)
このような原因をもとに発生します。
偽関節の場合は偽関節になるまでに6か月以上経過し異常可動性が明瞭な場合にみなされ、基本手術適応になります。
次回は後遺症の続きを書いていきたいと思います!!
以上!!今回はここまで!!
参考文献
南江堂 柔道整復学―理論編(改定第3版)より一部抜粋