2020/09/16
いつもご覧いただきありがとうございます!
院長のながしまです。
今回も前回に続き膝関節の靭帯損傷について書いていきたいと思います。
今回のテーマは『内側側副靭帯損傷』についてです。
内側側副靭帯は前十字靱帯とは異なり、関節包外靭帯となります。
膝の内側に存在(大腿骨と脛骨をつないでいる)し膝の内側安定性を保つ役割を担っております。
膝への外反ストレスや外旋(下図)を抑制します。
内側側副靭帯損傷は膝のケガの中で発生率がとても多く、スポーツに限らず受傷することがとても多いです。
内側側副靭帯は構造上、半月板(膝の中にあるクッション)と強固に結合しており、内側側副靭帯損傷時には『半月板損傷』も同時に発生するケースも多々あります。
上記の重複損傷に前回説明した『前十字靱帯』の損傷が重なったものを『不幸の3徴候(アンハッピートライアド)』と呼び、膝関節捻挫では最も重症で予後が悪いケガになります。
では、内側側副靭帯損傷の症状を説明していきます。
膝関節内側部の強い痛み・膝関節外反痛・腫れ・歩行痛・伸展痛などがあります。
先程説明した不幸の3徴候の場合は膝の腫れが膝関節全体に広がり、軽く膝を曲げた状態から伸ばす事が出来なくなります。
靭帯損傷の場合、Ⅰ~Ⅲ度損傷と分類し膝関節伸展と軽度屈曲位(30度)にて外反ストレスを加え、その不安定性で分類します。
Ⅰ度 : 不安定性はなく、靭帯に痛みが軽度~中度ある
Ⅱ度 : 不安定性は軽度屈曲時にはみられ、痛みは強く、靭帯の部分断裂を疑う
Ⅲ度 : 不安定性は伸展位・軽度屈曲時共にみられ靭帯の完全断裂を疑う。痛みはⅠ度・Ⅱ度より意外に少ないと言われております。
このように分類します。
整骨院の場合はMRIやCTのような画像での確認が出来ない為、主に徒手検査で判断します。
*超音波画像診断機と言う機器を使って確認する先生もおります。
徒手検査には外反ストレステストやアプレイテストと言うテストを主に行い、ある程度の判断を致します。
内側側副靭帯損傷は不幸の3徴候の他に靭帯がくっ付いている根元で骨折を起こしている場合が稀にあり、鑑別診断が重要になります。
予後としてはⅠ度・Ⅱ度損傷の場合はしばらくの固定と安静で十分に回復しますが、Ⅲ度の場合は医師を含めた慎重な対応(手術)で検討した方が良いと思います。
どういう動作で痛みが出て、増悪するか?、動きはどうか?を診て、治療内容を説明させていただきますので、痛みや違和感が気になる方はご相談ください。