2024/03/06
いつもご覧いただきありがとうございます!
院長のながしまです。
今回は『くる病』について簡単に解説させて頂きたいと思います。
ただ、タイトル便宜上、くる病って何?にしましたが、今回はくる病の話と『骨軟化症(こつなんかしょう)』の話を並行して進めていきたいと思いますので、予めご了承下さい。
くる病は昔多かったとされる障害ですが、近年増加傾向にあるとされております!!よって、今回取り上げることにしてみましたので宜しくお願い致します。
*多かった理由や増加理由は後述
くる病とはビタミンD欠乏や代謝の異常により骨に石灰化が生じる障害をいいます。
くる病も骨軟化症ともに類骨が増加した状態となり
①くる病は成長期まで
②骨軟化症は成長期以降
をいいます。
*類骨 : ハイドロキシアパタイト結晶がコラーゲンなどの骨有機基質に沈着していない状態(詳しく知らたい方はググってみて!!)
【病態】
①小児の場合(くる病)
ビタミンD欠乏のため、石灰化が起こる部分で軟骨基質が石灰化を起こしません(骨端軟骨で起こるミネラルの沈着が起こらないため)
そのため軟骨層の配列が不規則になります。
このように軟骨内骨化が抑制され長軸方向への成長が阻害されます
(軟骨内骨化➡モデリングって何?参照)
さらに、骨の吸収機能も低下しているのでモデリングが障害され、骨幹端部は変形拡大します。
②成人の場合(骨軟化症)
破骨細胞が減少し、類骨組織は石灰化が起こらず、リモデリングが進行しなくなるため、骨の変形を生じます。
*リモデリング➡骨リモデリングって何?参照
【原因】
先天的なものと後天的なものがあります。
①先天的なもの
遺伝性ビタミンD依存性くる病(常染色体劣性遺伝の先天性欠損症)
②後天的なもの
大半がこちらとなります。
・ビタミンD欠乏
・カルシウムやリン酸の摂取不足
・吸収低下
・代謝異常
・疾病によるもの(腎疾患・副甲状腺疾患・肝障害など)
特にビタミンD欠乏によるものが代表的とされています。
*ビタミンDが欠乏することによってカルシウムの吸収が進まなくなり発症します。
*ビタミンDは紫外線を浴びることによって体内で合成されます。
【ビタミンD欠乏を起こしやすい人】
室内へ閉じこもりがちな人(高齢者や引きこもり) ➡ 日照不足
美容などといって紫外線を殆どカットする人
その他基礎疾患がある人
昔は東北などの豪雪地域に多かったといわれておりました。
理由としては豪雪によって家から出なくなり、日光を浴びることもなく、閉じこもっていたり、そもそも日照時間が短かったのが原因でビタミンD欠乏に陥りくる病を発症したなどと言われていましが、時代の進化により生活や環境が改善され、くる病は減っていきました。
しかし、先ほども書きましたが、近年増加傾向にあるといわれております。
・増加傾向にある理由
近年、美容やガン予防のために過度な紫外線予防をされる若い女性が多いといわれております。
そのため母親(妊婦)がビタミンD欠乏となり、結果生まれて来ることもビタミンD欠乏となりくる病が発症します。
自分のためや子供のためと思って紫外線をシャットアウトすることによって、実はくる病のリスクを増やしている!!ということを忘れないようしましょう。
目安としては夏場なら15分程度で良いそうです。冬場は1時間程と少し長めとなります。(参考数値です)
まぁ、適度に外で遊べ!!ってことですかね?(笑)
次週は症状などを書かせて頂きます!!
以上!! 今回はここまで!!