2025/04/23
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院長のながしまです。
今回は『反復把握法(はんぷくはあくほう) 』について簡単に解説していきたいと思います。
前回解説したQEもそうですが、運動時にパフォーマンスを上昇させる(あがらないなど)話となります。
運動において閉鎖スキル種目(*1)において左右半球(脳)の賦活偏側性とパフォーマンスとの関係について研究され、パフォーマンスが良かった時は左半球より右半球の方が活発化しており、パフォーマンスが悪かった時は左半球が活発化していると言うことがわかったとのことです。
*1:閉鎖スキル(クローズドスキル)→外的要因に左右されにくい状況で発揮されるスキル(対戦相手やボールの動きなどに左右されない運動→アーチェリーや弓道、ゴルフ、水泳など)
上記から近年では運動する側(基本的に右)と反対である左手で柔らかいボールなどを反復的に把握(にぎる)ことにより、運動する側と右半球が活性化すると言うのが反復把握法となります(簡単に言うと)
右半球を選択的に活性化させることにより、動作の自律性を崩す言語活動(*2)が抑制されあがってしまい動作が上手くいかない!!みたいなことを防止できるということです!!
*2:左半球は発話や言語理解や計算などに深く関係し言語性優位半球とも言われる。
これは今まで練習して体に染み込ませた動作は言語活動は不要であり、余計な思考などによって動作の妨げを少なく出来るためとのことです。
このように良いことを書きましたが、デメリットもあります。
正確に言えばデメリットではないのですが、研究が深く進んでいないため左利きの人はどうなのか?どれくらいの物をどれくらいの時間や回数把握すれば良いのか?が『絶対にこれ!!』と言うことがわかっていないということです。
ただ、早稲田大学スポーツ科学学術院の正木宏明教授(今回の記事を作るにあたり参考とさせて頂いた論文を書かれた先生)の研究では、ボールの硬さは100hPaで90秒間反復把握した際に右半球の賦活(活性)が著明となった!!とされています。
一生懸命に練習してきたのに、そのパフォーマンスを発揮できないかった!!と言うのはとても残念な思いをすることが多いと思います。
一度試しに行ってみるのも良いかもしれませんね!!
以上!! 今回はここまで!!
参考:(公社)日本心理学会 アスリートのあがりを簡便に防止するより
論文 あがりを防止する左手把握素材のスポーツウエアへの実装 正木 宏明先生