脱臼について⑥

いつもご覧いただきありがとうございます!

院長のながしまです。

では、今週も前回に引き続き『脱臼』についての最終章となります。

【脱臼の経過と予後】

私たち柔道整復師は脱臼した患者さんが来院された場合、整復を行い、医師に同意を得て後療法を行います。

では、整復された関節はどの様な経過をたどるのか簡単に説明していきます。

・まず、整復後に患部の固定を行います。
*行う先生、行わない先生がいますが、今回は行った場合と仮定して話をしていきます。

・固定期間に脱臼時に出血があれば、出血を吸収していきす。

・関節包の断裂・靭帯・腱・筋の損傷も瘢痕を形成して治っていきます。
*瘢痕(はんこん) ➡ 簡単に説明すると『傷跡』のことです

・固定期間に応じて関節包や靭帯などは収縮・癒着を起こし関節機能障害を引き起こす場合もあります。

・骨折が合併した脱臼骨折は骨折の経過により左右されることがあります。

・骨折により固定期間が長くなった場合は、上記のように関節機能障害(曲がらなくなる)が併発する可能性もあります。

・関節の形や特性にもよりますが、肩関節・顎関節・膝関節は反復性脱臼になってしまうこともあり、初回処置が重要となります。
*もちろん、整復後固定期間中の自己管理も重要

・陳旧性脱臼の場合は損傷した組織が変性し、無理に整復を行うと組織の損傷や、骨折を起こすこともある。

・脱臼肢の早期使用や関節周囲組織の損傷程度では再脱臼を起こすことがあるので十分注意すること


上記には何だか嫌なことばかり書きましたが、受傷して速やかに処置を行うことが出来れば治癒期間も短く、基本的には予後は良好です!!
*もちろん単純脱臼ですが・・・。


6月から書き始めた脱臼ですが、今回で終わりとなります!!

単に脱臼とか骨折と言っても様々な内容があります。

今回書いて来たのは『総論』と言って、要は『脱臼とはなんだ!!』と言うことを書いただけです。

実際は『各論』と言って、肩の脱臼や肘の脱臼などと、各関節に様々な特徴性を持った内容となっていきます。

という訳で、ひと段落つきましたら、色々な脱臼や骨折の話をさせて頂けたらと思っています!!


以上!!今回はここまで!!

*脱臼・骨折など疑わしきときは、お近くの整形外科・整骨院を受診するようにして下さい!!
*我々、柔道整復師は骨折・脱臼を施術させて頂く場合は、必ず医師の同意が必要となります
*骨折・脱臼は医師以外に『柔道整復師』しか整復を行うことが出来ません!!