2024/08/24
いつもご覧いただきありがとうございます!
院長のながしまです。
では、今週も前回に引き続き『脱臼』について書いていきたいと思います。
今回は『脱臼の症状』です!!
A : 一般外傷症状
① 疼痛
・持続性疼痛
・圧痛、運動痛は骨折より弱い
② 腫脹、関節血腫
・関節周囲の組織損傷程度や出血により異なる
・骨折よりゆっくり出現し、著明ではない
③ 機能障害
・脱臼部は一定の肢位に固定される
・痛いのを我慢すればわずかな運動は出来る
上記にあるように一般外傷症状に関しては骨折の方が痛いようです・・・。
B : 脱臼の固有症状
① 弾発性固定
・他動的に運動を行うと弾性抵抗がある(ボヨ~ン・ビヨ~ン?とした感じ・・・です)
・他動的に入れた力を緩めると、再び戻ってしまう。
② 関節部の変形
a) 関節軸の変形 : 骨頭の方向に転位する
b) 脱臼関節自体の変形 : 骨頭を異常位置に触知 ・ 各関節に応じた特有変形が出現
c) 脱臼肢の長さの変化 : 脱臼した骨頭の位置によって、関節肢が短く見えたり、長く見えたりする
d) 関節腔の空虚および骨頭の異常位置 : 骨頭が逸脱したため関節腔は空虚になり、陥凹(かんおう)が触知できる。
何かよくわからないですよね・・・。
凄く簡単に解説していきたいと思います。
肩関節を使って説明していきます。(青線は皮膚と思って下さい)
*一応上記は正常な肩関節と思って下さい・・・。
上記は典型的な肩関節脱臼です(烏口下脱臼)
a の関節軸の変化ですが
青線が正常な関節軸としたとき、脱臼した骨頭が内方に転位した分、関節軸は緑線のように斜めになっています!!
b ですが、
上記のように肩関節でも色々な状態に脱臼します。(上記はほんの一部です)
しかし、見ていただければわかるように、骨頭は正常な位置にないため、脱臼した場合は変な位置にポコっとしたふくらみ(骨頭)を触知できます。
c ですが
上記の絵を正常な肩関節と思って下さい(急に省略図で申し訳ないですがこちらの方がわかりやすいと思ったので・・・)
黒い直線を腕と考えた時に
脱臼肢が内方にずれるため赤線のように四角からはみ出ている部分(要は腕)は若干短く見えます。
次に
青線のように下方に脱臼した場合、見た目は長く見えます(仮性延長)
*わかりやすく書いたので、実際の肩関節脱臼とは角度や肢位が異なる部分があることをご了承ください。因みに赤線は鎖骨下脱臼と思って下さい・・・
最後に d についてですが
一番最初の肩関節の絵で、青線(皮膚)部分はふっくらと肩の丸みを示しています。
しかし、脱臼して骨頭が移動した場合は
緑線のようにふくらみがなくなり丸みが消失します。
一応関節腔が空虚になった状態というのこんな感じです・・・。
骨折でもあったように、脱臼にもこのように特徴ある症状が存在し、ある程度の判断(骨折・脱臼などの)が出来ます!!
では、次回は合併症などについてお話ししたいと思います!!
以上!!今回はここまで!!
*受傷時は必ず医療機関を受信するようにして下さい!!